この記事のまとめ
仮想通貨の詐欺事件について解説します!
「仮想通貨が儲かること」の謳い文句にした詐欺事件が横行しています。
初心者がそのような事件に巻き込まれないようにするための対策をお伝えします。
2023年5月に刑事事件として容疑にかけられ逮捕者も発生しているように、仮想通貨に関連した詐欺事件が世界中で後を絶ちません。
仮想通貨が本来の「中央集権なくした決済技術」とは反する犯罪目的で使われることはとても残念です。「仮想通貨をこれから始める方」や「既に始めている方」は十分に注意して「資産を運用」することが必要です。
rio
1990年、京都出身。 2017年までパリ在住。
2017年に仮想通貨投資で大赤字!
NFTコレクション『Mooon』の開発 / イーサリアム(ethereum.org)公式翻訳者 / MZDAO初期メンバー
【2023年】9人逮捕!仮想通貨の詐欺事件:ポンジスキーム
先日、このようなニュースがありました。
JIJI.comより抜粋
暗号資産投資で不正勧誘疑い 7億円超集金か、9人逮捕 大阪府警 (2023.5.24配信)
暗号資産(仮想通貨)への投資を不正に勧誘したとして、大阪府警は24日、特定商取引法違反(不実告知など)容疑で、...男女9人を逮捕した。...
府警生活経済課によると、坂本容疑者がグループの指示役とされ、2021年8月以降に若者を中心に約2500人から少なくとも計約7億7500万円を集めたとみられるという。
グループは、アラブ首長国連邦(UAE)・ドバイを拠点とし、「マーケットピーク」と称する組織の暗号資産への投資を勧誘。暗号資産への投資に連鎖販売取引(マルチ商法)を組み合わせた仕組みで、SNSを通じて若者らの間に広がっていた。
9人の逮捕容疑は22年6~9月、大学生だった男女3人と書類を交わさずに契約したほか、解約を求められた際に「できない」と虚偽の説明をした疑い。同10月に天満署に被害の相談が寄せられ発覚した。(疑わしきは無罪を尊重し、容疑者名を伏せてます。)
この事件の概要はおそらく、UAEのマーケットピーク社が発行する独自通貨「PEAKDEFI」に投資することを謳い、出資を促し、その対価として「紹介料」を支払うことで先行者ほど利益を増やすことができるというネットワークビジネスです。実質的には仮想通貨自体が発行されていること自体も怪しく、後続者の出資金の一部を紹介者にキャッシュバックしているだけの実態であることが考えられます。
現時点で、「PEAKDEFI」と名乗る仮想通貨の取引は、大手取引所では行われていません。価格も以下の通り、「価値がない」のが現状です。
2021年の5月あたりから、少し価格が上昇していますが、昨年5月あたりに暴落して以降、ほとんど価格がゼロに近い状態です。
このような詐欺の手口をポンジスキームといいます。
仮想通貨の詐欺とは?手口や仕組みを解説
仮想通貨の詐欺は、大きく以下の4通りの手口が考えられます。
仮想通貨の詐欺の手口
- フィッシング詐欺
- ポンジスキーム
- ICO(Initial Coin Offering)詐欺
- ソーシャルエンジニアリング
①フィッシング詐欺
フィッシング詐欺は、本物の仮想通貨取引所やウォレットサービスと偽って、個人情報やアカウント情報を騙し取るという手口です。偽のウェブサイトや偽のメールアドレスを使用して、ユーザーにログイン情報やパスワードなどを入力させます。一見すると、よく使うサイトや知っているサービスとほとんど変わらないので、とても騙されやすいです。
私も「リップル(XRP)を名乗るDM」が届きましたが、遷移先のリンクをみるとドメインが違ったことがありました。
②ポンジスキーム
ポンジスキームは、新規出資者から集めた資金を、既存の出資者に配当や紹介料などとして支払うことで成り立つ手口です。先行者はより多くの利益を得ることができますが、実際には新たな出資者から集めた資金の一部が横流しされているだけです。前述の詐欺事件も同様の手口である可能性が考えられます。
③ICO(Initial Coin Offering)詐欺
ICO詐欺は、新たに発行される仮想通貨のICOを装った詐欺が行われます。実在しないプロジェクトや価値のないトークンを販売し、出資者からお金を騙し取ります。初心者は、実績のないアルトコインの投資に出資しないことがおすすめです。
④ソーシャルエンジニアリング
ソーシャルエンジニアリングは、人の信用を悪用して情報を騙し取る手口です。仮想通貨関連のコミュニティやソーシャルメディアで偽の信用を作り、電話やメールで緊急性を装って、個人情報やアカウント情報を騙し取るという手口です。どんなに信頼できる人やサービスから重要事項を聞かれても答えないようにしましょう。
【初心者向け】仮想通貨の詐欺対策
仮想通貨の詐欺に遭わないためにすぐにできる対策は以下の通りです。
仮想通貨の詐欺対策
- 「絶対儲かる」話やセミナーは断る
- 公式サイトからのみアクセスする
- 個人情報は共有しない
- 購入する仮想通貨の取引額を調べる
- 仮想通貨は国内の取引所で購入する
①「絶対儲かる」話やセミナーは断る
「絶対儲かる」や「将来稼げる」のような話は断りましょう。何度もいいますが、投資に絶対はありません。当ブログでも、リスクを減らすために、実績のある通貨を分散運用することを提唱しています。
「実績のない通貨」を「実績のない取引所」で「全額運用」は、給与を全額使って宝くじを買うような危険行為
仮想通貨は知識の乏しい方に対してSNSやウェブサイト・知人を通じて「絶対儲かるビジネスがあるから話聞かない?」などと声を掛けられる可能性があります。
実際私は、マッチングアプリで知り合った男性から「将来儲かる仮想通貨があるから3万円出資しないか?」という誘いを受けたと相談されたことがあります。このように、身近な環境でも危険な話をされる可能性が十分にあることをご認識ください。ご相談があれば、TwitterのDMください。
②公式サイトからのみアクセスする
仮想通貨や仮想通貨取引所、ウォレットなど、関連サービスの利用は、必ず公式サイトから行いましょう。
DMやメールのリンク、検索結果からアクセスするのはとても危険です。利用しているサービスサイトは、ご自身でブックマークしておいてください。
一見すると、いつも使っているサービスからのメールと思っていても、実はフェイクサイトというケースも多く、私も何度も送付されています。(基本的に、リンクにアクセスしないので騙されたことはありません)
抽せんで必ず仮想通貨が当たります!などのキャンペーン関連が多いです。また海外からの発信が多い印象もうけます。(日本語で送付されることもありますが、日本語がおかしいのでそれだけで怪しいです...)
③個人情報は共有しない
信頼できる人や登録しているサービスから個人情報の提供や共有を促されても対応しないことが重要です。基本的に重要な個人情報の開示請求をされる機会はほとんどありません。万が一請求された場合は、個人情報を提供せずに改めて書面で通知してもらうようにした上で、消費者センターなどに相談しましょう。
銀行口座のパスワードを銀行から聞かれることなんてありませんよね...
④購入する仮想通貨の取引額を調べる
仮想通貨を購入する際は、その通貨がどのくらいの取引をされているのか定量的に調査しましょう。検討するべき数値のひとつに仮想通貨の時価総額が挙げられます。仮想通貨の時価総額は、「発行枚数×1枚あたりの価格」です。時価総額の高い通貨ほど需要があり、取引規模の大きい通貨と考えることができます。
以下のサイトから上場している(特定の取引所で取引可能)仮想通貨の時価総額のランキングが確認できます。
2023年5月現在、1位がビットコイン(約76兆円)、2位がイーサ(約32兆円)です。ちなみに日本企業の時価総額ランキングで1位のトヨタ自動車で約36兆円です。
⑤仮想通貨は国内の取引所で購入する
特に初心者の方は、金融庁に登録されている取引所で仮想通貨を購入しましょう。金融庁に登録されている事業者は、セキュリティや消費者保護の観点で「厳しい規定」を備えている事業者といえます。そうでない取引所は、国内での営業活動は法律で認められていません。
また仮想通貨の取引所は、CoinMarketCapがその情報量・流動性・取引量・取引量の正当性に対する信頼などからランク付けされているので参考にしてください。
上記でランキング上位に位置している取引所がより信頼できると考えることができます。ちなみに、金融庁に認可されていて、ランキングでも上位に位置している取引所は「bitFlyer」(11位)と「コインチェック」(21位)です。
仮想通貨の詐欺に遭わないためにおすすめの仮想通貨取引所
前述の取引所でも特におすすめの取引所は「bitFlyer」と「コインチェック」です。
bitFlyer
bitFlyerでの特徴的なセキュリティ対策は以下です。(bitFlyer のセキュリティより)
①マルチ・シグネチャー
bitFlyerでは、マルチ・シグネチャー(マルチシグ)という、仕組みを採用。暗号資産(仮想通貨)を送付するために複数の署名を使う仕組みです。万が一、最重要データである署名のうち 1 つが漏洩しても、複数の署名が必要となるため、ウォレットのセキュリティがより強固になります。
②コールドウォレットで管理
ユーザーや取引所が所有する暗号資産(仮想通貨)は、交換や送付に必要な最小限のみをインターネットにつながるホットウォレットに保ち、残り(全資産の約 100 %)をネットワークから隔離したコールドウォレットに保管している。
③分別管理
ユーザーの暗号資産(仮想通貨)や日本円などの金融資産は、取引所が保有する資産と明確に区分して管理している。
コインチェック
コインチェックでの特徴的なセキュリティ対策は以下です。(サービスの安全性・セキュリティより)
①モニタリングと情報開示
法定通貨・暗号資産のそれぞれについて、日次で実際の残高・当社が計算上把握している残高を照合し、預り金の残高が不足していないかを確認。
また100%親会社たるマネックスグループ(株)と協議の上で、マネックスグループ(株)が行う情報開示の一環として、適切な時期・範囲で情報を開示して透明性を図る。
史上最大のハッキング事件で破綻したマウントゴックスは、前身時代から残高との差異が発生していたそうです。
正確な情報開示は信頼できる要因の一つです。
②コールドウォレットの構築
コインチェックで取り扱っている全ての暗号資産について、コールドウォレットを構築した上で、ホットウォレットと区分して運用している。
万が一、ネットワークが第三者の不正侵入を受けた場合でも、コールドウォレット内の暗号資産に影響が及ぶことを防ぐことができ、預り金へ被害が及ぶことを防ぐことが可能となります。
③分別管理
ユーザーからの預り金は経営資金とは完全に分離して管理している。預り金を会社の資金として運営に用いられることは決してない。
仮想通貨の詐欺に関するよくある質問
仮想通貨の詐欺の被害に遭った場合、どうすればいいですか?
まずは、消費者センターに相談をしましょう。加害者に直接交渉や話をするのは一旦控えるようにしてください。法律の知見が不足した状況下で、手順を間違えて被害を拡大させる可能性があるためです。
仮想通貨の詐欺の被害に遭った場合、返金はされますか?
必ず返金されるとは限りません。「訴訟」や「交渉」などで相手と調整を図ることが必要です。これも消費者センターに相談の上で、指示に従いましょう。
仮想通貨の詐欺の被害に遭った場合、税金はどうなりますか?
税金面では、損金や経費として認められることは考えられず、通常通り課税対象として申告が必要です。
まとめ:仮想通貨を買うのはビットコインとイーサ
仮想通貨はビットコインを起点に、「中央集権のない決済技術」として世界的な普及を目的に開発されました。しかし、実際は「投機」目的や「犯罪」目的で活用されているのが現実です。
「時間」が唯一の味方
当ブログではあくまでも自己責任の所在ではありますが、「資産運用」を目的に保有するメリットをお伝えしています。
「すぐに稼げる」や「絶対稼げる」ではなく、20年・30年かけてコツコツ育てておくことで、知識ゼロでも全員が必ず持っている「時間」を味方につけ資産を増やす可能性を高くするということです。
その上で、ビットコインやイーサは現時点で時価総額は世界のトップクラスで、金融庁に登録済の取引所でも取引できます。
他の通貨を保有したい初心者の方は、「出資」や「投資」するのではなく、「無料」で手に入れて下さい。リスクゼロであれば最悪「価値がゼロ」になっても許容できますよね。
当ブログでは、このようなお得な情報も全て実績と合わせて公開していますので、是非ご覧ください。
リスクゼロで手に入る仮想通貨