仮想通貨の取引で得た利益は課税対象です🤦♂️
仮想通貨を保有している方は損益計算を年末までに行うことがおすすめです。
仮想通貨保有者が必要な作業(3ステップ)
1.取引履歴の整理
今回は、コインチェックとbitFlyerを例に解説します。
ファイルのダウンロードとアップロードの作業はPCがおすすめです。
取引履歴のダウンロード
コインチェックの場合
コインチェックにログイン後、「取引アカウント」であることを確認。
タブを(人型マークに)きりかえ、「取引履歴」を選択。
「業界標準フォーマットはこちら」をクリック。
ページタイトルが「取引履歴 業界標準フォーマット」になっていることを確認して、取引年度をクリックする。
「年次ファイル」もしくは「月次ファイル」の「ファイル作成」をクリックし、「ダウンロード」する。
年度中は、年次ファイルのダウンロードができないので、月次ファイルをダウンロードしましょう。
参照; Coincheck(コインチェック)の取引履歴ファイルダウンロード方法
株式会社Pafin
bitFlyerの場合
bitFlyerにログイン後、「お取引レポート」をクリック。
「お取引レポートをダウンロード」をクリック。
ページ下部にスクロールして、取引履歴(csv)を参照。
すべてのお取引右側の「申請」をクリック後、「ダウンロード」をクリック。
FX/先物取引をされている場合は、これに加えて「Lightningの全履歴」「証拠金の履歴」「充当履歴」もダウンロードしましょう。
参照; bitFlyer(ビットフライヤー)の取引履歴ファイルダウンロード方法
株式会社Pafin
ファイルの保存
ダウンロードしたファイルは、どの取引所のファイルか判断できるように保存しましょう。
2.仮想通貨の損益計算
ほとんどの場合、仮想通貨の価値は「総平均法」によって計算します。
(例)
・500万円/BTCの時、1BTC購入(購入額 500万円)
・200万円/BTCの時、2BTC購入(購入額 400万円)
計算結果
①1年間に購入した合計金額:500+400=900万円
②1年間に購入した合計数量:1+2=3BTC
取得価額(単価):900万円 / 3BTC = 300万円
上記の場合、この300万円を基準にして損益を計算していく必要があります。
例えば、600万円/BTCの時に1BTCを売却して円にしたら、
損益は、600万円 ー (300万円×1BTC) = 300万円 (利益)になります。
これを全ての取引で計算していく必要があります。
損益計算の方法(自動)
CRYPTACT(クリプタクト)を用いて無料(一部有料)で損益計算する方法を解説します。
①でダウンロードした取引履歴をアップロードするだけで自動的に計算されます😄
クリプタクトに登録
CRYPTACT(クリプタクト)公式サイトにアクセスして、「無料アカウント登録」をクリック。
「メールアドレス」を入力して、「セキュリティチェックボックス」「送信する」の順にクリック。
メール受信ボックスを確認します。
受信メール内の「メールアドレスを確認」をクリック。
パスワードを入力して、「アカウント登録」をクリック。
計算方法は"総平均法"なので、「続ける」をクリック。
これで登録完了です👏
取引履歴をアップロード
ホーム画面の「アップロード」をクリック。
①コインチェックの場合
「コインチェック」をクリック。
「Coincheck/業界標準フォーマット」の下部にファイルをドロップ。
「アップロード」をクリック。
複数ファイルある場合は、時間の古いデータから順にアップロードしてください。
②bitflyerの場合
「bitFlyer」をクリック。
「bitFlyer/すべての取引」の下部にファイルをドロップ。
「アップロード」をクリック。
ここまでで過去の取引からの損益が計算されます。
損益は12/31(正確には23:59)に確定します。
確定申告が必要な方は、年始に改めて12月分を計上しましょう。
損益を確認
計算された損益を確認しましょう。
年末を迎える前に確認することで、税金対策ができたり確定申告の必要性を判断出来たりします。
取得した価格が時価より高い場合はその差額を「含み損」、
取得した価格が時価より安い場合はその差額を「含み益」といいます💁♂️
①実現損益の確認
ホーム画面の「実現損益」の表示価格を確認。
上記の場合は、実現損益が+84円ということです。
つまり84円の黒字です👏
②含み損益の確認
ホーム画面の「ポートフォリオ」に画面を切り替え、最下部の「時価内訳」内を確認。
各通貨のグラフ上にカーソルを合わせます。
通貨ごとの簿価(1年間固定の通算平均価格)と含み損益が表示されます。
上記のXRPの場合は、57,782円の含み損ということです。
取得した価格が時価より高い状態であることがわかります。(赤字)
3.仮想通貨の確定申告
計算した実現損益から、確定申告が必要かどうか判断しましょう。
確定申告とは
確定申告
その年の1月1日から12月31日までを課税期間として、収入・支出、控除額から所得を計算した申告書を税務署へ提出。納付すべき所得税額を確定すること。
払いすぎている税金を還付してもらう場合もあります✅
国税庁 (https://www.nta.go.jp/index.htm)
仮想通貨を保有しているだけの方は原則として必要ありません。
仮想通貨取引とは
確定申告が必要な方は仮想通貨取引を行った方です。
仮想通貨を売却した場合
保有していた仮想通貨を売却して日本円に換金し、損益が出た場合。
仮想通貨で商品を購入した場合
商品を購入する際に、仮想通貨で決済した場合。
NFTもこれに該当します。税務上は仮想通貨を譲渡して商品やNFTを購入したという取引に該当します。
仮想通貨と仮想通貨を交換した場合
保有している仮想通貨を使用して、ほかの仮想通貨を購入した場合。
ビットコインを購入してイーサに両替した場合も、税務上はビットコインを譲渡してイーサを購入した取引に該当します。
マイニング、ステーキング、レンディングした場合
取得した時点での時価で所得として計上されます。
仮想通貨の確定申告が必要なパターン
①所得金額の合計が20万円を超える場合
仮想通貨取引の実現損益が年間20万円を超えている場合
給与所得や退職所得以外の所得金額と仮想通貨取引の損益の合計が20万円を超える
②確定申告を⾏う方
医療費控除やふるさと納税などで確定申告を⾏う方
仮想通貨取引の利益が20万円以下でも必要です。
仮想通貨の税金対策
計算した損益から税金対策しましょう。
①必要経費の計上
仮想通貨取引の際に支払った費用を「経費」にできます。
②損益圧縮
実現損益を圧縮して、課税額を減らすことが可能です。
いずれも必ず12/31 23:59までに行いましょう。
実現損益がプラス(+)の場合
含み損益がマイナス(ー)の通貨が1種類以上ある場合
バランスをみながら年末に売却する。(損失を出す)
実現損益が下がる(課税額が下がる)
実現損益がマイナス(ー)の場合
含み損益がプラス(+)の通貨が1種類以上ある場合
バランスをみながら年末に売却する。(利益を出す)
実現損益が上がる(翌年以降の課税額が下がる)
このように通貨を(一部)売却することで、実現損益を調整することが可能です💁♂️
売却後に買い戻してしまうと全体の購入単価が変わって損益が変化してしまうため、注意しましょう
通貨を買い戻した場合、買った価格(簿価)が低くなることから、その通貨を再度売却した際に利益額が大きくなります。
まとめ
仮想通貨を円などの法定通貨に売却していなくても、確定申告が必要な場合があるので注意しましょう。
年を越す前に損益計算することで年末に税金対策が必要か、年始に確定申告が必要かを判断することが可能です。
仮想通貨を保有している方は、まずは損益計算をしておくことをおすすめします。
追記
ちなみに日本の仮想通貨に対する税制はかなり厳しいのが現状です。(特に法人)
Astar Networkの渡辺創太氏は、自身のブログでもご指摘されています。
note
*【お詫び】私は税理士でも会計士でもございません。詳しい個別の相談は専門家にご依頼いただくことがおすすめです。とはいえ税理士や会計士に依頼すると、コストが発生します。国税局の各税務署に直接ご相談いただくと無料で親切に解決してもらえます。この記事は、国税庁の公開している以下の情報をもとに制作しております。
*暗号資産による一般的な取引等を前提に作成したものであり、各取引事例等(取引金額や取引相場を含みます。)は架空です